2021.02.20 CATEGORY:コラム
今号では年始恒例のこれからのホテル・旅館業界のITやウェブついて述べたい。多分に主観が入った内容だが、ご容赦いただきたい。キーワードは「コンセプト」「タビナカ」「顧客管理」という三つだ。
大前提として、アフターコロナにおいては予約のオンライン化が著しく進むことは間違いない。すると、お客さまはウェブを通して観光地や宿泊施設の情報を取得することになる。つまり、選ばれる施設になるためには、宿そのものの差別化はもちろんのこと、ウェブにおいてもきちんと表現をしないとお客さまに伝わらないのである。
そこで大切になるのが「コンセプト」という概念である。自施設がどういう施設で、どんな思いで宿を営んでいるかというメッセージをコンテンツ化して、きちんと打ち出すことで初めて伝わるのである。お客さまはそのコンセプトに共感、共鳴して自らの価値観と近い施設を選ぶようになる。最近では「コンセプト」や「ストーリー」という形で、自施設の思いをコンテンツ化するところも増えている。本活動はブランディングといっても過言ではないが、今後このブランディングの重要性はますます高まるであろう。
続いて「タビナカ」についてである。こちらも再三にわたり述べてきたが、いわゆる「体験型コンテンツ」の創出である。体験型コンテンツの取り組みとして、よくある失敗例としては、1回企画されて実施したはいいが、その1回で終わるケースである。ポイントは継続性と積み重ねにあると思う。それが何層にも重なり、お客さまに魅力的なコンテンツ群として認知されるのである。
最後に「顧客管理」であるが、こちらは現在では肌感覚で理解しているというレベルの施設も多いのではないだろうか。時代はより細かくパーソナライズ化されていく。そこで大事になるのは「CRM(顧客関係管理)」という概念である。Salesforceやzohoといった世界的な企業もあるくらい、現在の企業活動の中においては外せないものとなりつつある。詳細は別の機会に譲りたいが、個人化が進むということは、その個人をしっかりと把握する必要があるということである。
アフターコロナに向けての大きな時代の変化の中で取り組むべき大きな指針として参考になれば幸いである。
(アビリブ・株式会社プライムコンセプト 内藤英賢)
※画像参照:観光経済新聞Web版2021年2月18日より出典
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